事件その後
銃乱射事件、相次いだ食品の成分ごまかし-。二〇〇七年の日本の重大ニュースだが、外国でもよく似た出来事があった。有名人のスキャンダルも含め、今年日本でも大きく報道された「あの事件」のその後をまとめた。
http://www.chunichi.co.jp/article/world/newworld/CK2007122602075257.html
4月 米バージニア工科大銃乱射 銃購入など規制の動き
米バージニア州のバージニア工科大で四月十六日、教授や学生ら三十二人が射殺される米史上最悪の銃乱射事件が発生。自殺した犯人の学生には精神疾患の病歴があった。その後も教育施設を含め一般市民を狙った銃犯罪が相次いでいる。
連邦や州政府の調査委員会は、犯人の韓国出身学生が事件の一年前から自殺を示唆し、裁判所から精神疾患の治療を勧められていたにもかかわらず、プライバシー保護が原因で警察や大学、保護者、医療機関の連携が機能していなかったと指摘した。また、最初に二人が殺害された後、銃乱射までに約二時間あったが、学生らに避難や警戒を十分呼びかけなかった大学や警察当局の対応を批判した。
同大は再発防止策として、非常時に学生らの携帯電話へメッセージを一斉送信するシステムを導入。広報担当のラリー・ヒンカーさんは「教室の施錠徹底など安全対策に加えて、カウンセラーの増員などで学生が抱える問題への対処や支援を強化した。事件のショックは大きいが、大学と学生が再発防止策をともに考え、きずなも深まったようだ」と話す。この事件を受けて米下院は六月、精神疾患の病歴や犯罪歴のある人が銃を購入できないようにするため、州政府に対して連邦捜査局(FBI)の前歴照合システムへの情報提供を自動化し共有する法案を可決した。法案は上院で一部修正され、今月十九日に議会を通過。大統領が署名すれば成立する。
司法省によると、銃を購入できない精神疾患の人の登録数は、六月の約十七万五千人から十一月には約四十万人に倍増している。
(ワシントン・立尾良二)
5月 英少女マデリンちゃん不明 捜査迷走 行方はわからず
愛くるしい笑顔の英国人女児(4つ)が五月、ポルトガルの保養地でこつぜんと姿を消してから七カ月余。行方は杳(よう)として知れず、連れ出した犯人も分からない。著名人らが支援した欧州注目の事件は、捜査に進展がみられないまま越年しようとしている。
英国人医師夫妻の長女マデリン・マッカーンちゃんは五月三日夜、ポルトガル南部アルガルベのホテルで就寝中、何者かにさらわれた。レストランで食事をしていた両親が目を離したわずか三十分の間の犯行で、一緒に寝ていた双子の弟と妹は無事だった。
「お願い。娘を助けて」。涙ながらに娘捜しの旅を続ける両親の訴えに、サッカーのベッカム選手や小説「ハリー・ポッター」シリーズの著者J・K・ローリングさんらが呼応。二百六十万ポンド(約六億円)以上の寄付が集まり、情報提供を呼びかけるポスターが欧州各国に張り出された。
ポルトガル国内だけでなく、スペインやベルギーなど近隣諸国からも目撃情報が寄せられたが、いずれも人違いと判明。「両親が誤ってマデリンちゃんを死亡させた」との報道も飛び出し、九月には両親が「容疑者」として警察の事情聴取を受ける事態にまで発展した。
有力な手がかりが得られないまま、事件は風化の様相を見せ始めている。ポルトガルでは十二月に入り、マデリンちゃんのポスターを取り外す動きが広がり、「危険」なイメージが定着した保養地からは、両親の監督責任を問う“恨み節”も。
両親は、独自に探偵を雇って行方を捜し続けている。
(ロンドン・岡安大助)
7月 中国段ボール肉まん騒動 “やらせ”真相広がる憶測
北京市内で12月14日、朝食として肉まんを買う市民。「段ボール肉まん」騒動の影響は表面的には収まっている
七月に北京のテレビ局が報じた「段ボール肉まん」騒動は、中国産食品の安全問題を象徴する事例として注目を浴びた。
報道はその後“やらせ”だったことが発覚し、担当ディレクターは懲役一年の判決を受けた。中国政府は「食の安全」確保に努力しているが、真の信頼回復にはまだ時間がかかりそうだ。
果たして段ボール肉まんは実在したのか-。報道では紙とひき肉を六対四の割合で混ぜたものとされたが、北京市当局の調査では「ひき肉に5%の紙を混ぜても、食べたら違和感がある」としてその存在を否定する。
しかし販売していたとされる露店は報道直後に再開発を理由に取り壊されており、「市当局が証拠隠滅を謀った」との憶測も。地元マスコミ関係者は「段ボール肉まんは実際にあったのだろう。ただ(判決を受けた)ディレクターはその現場を確認できず“やらせ”をしたのではないか」と話す。
中国は豚肉や卵など生鮮食品の価格が高騰しており、食品添加物で作った「人工卵」で荒稼ぎする騒ぎも起きた。
このため「外食はせず、食材は高くても安全なものを買い、必ず自宅で調理して食べる」と話す市民もいるほどだ。
日本ではいまだに印象深い騒動だが、中国でこの話題を口にする人は少ない。肉まん一個は十円足らずで、出勤途上に朝食として購入する庶民も多い。あまりにも身近な食品の安全問題だけに、存在を信じたくないという心理もあるようだ。
(北京・新貝憲弘、写真も)
10月 仏サルコジ大統領離婚 元妻の告白 女性共感も
「家族を救おうと魂を入れ直してみたけど、建前で夫婦の生活を続けることはできなかった」
十月十八日、フランス大統領府を通じてサルコジ大統領(52)との離婚を発表したセシリアさん(50)が後日、女性誌上で明かした決断の理由だ。大統領府が最初に「別居」と偽って発表したのを、「離婚」と改めさせたのは彼女自身だった。同誌で「離婚は正直な行為であり、いけないのは偽善だ。真実の私に戻った」とも吐露した。
同国史上、大統領の離婚は初。ふだんは公人のプライベートなネタを極力避ける仏メディアも報道合戦に熱を入れた。
小柄なサルコジ氏を上回る長身に元モデルの美ぼう。前夫との結婚式に市長として立ち会った同氏が一目ぼれし、互いに伴侶がいる身で結ばれたが、大統領を目指す夫が多忙になる中で恋人と逃避行-。映画のようなエピソードに、さすがの恋愛上手のフランス人たちも目を丸くした。
自由の身になった今も公の場に現れることはほとんどなく、神秘性は高まるばかり。パリに住む女性公務員ソフィーさん(44)が「デラックスな生活をあきらめ、自分自身の人生を生きるのは勇気がいること。以前はあまり好きじゃなかったが、一人の女性に戻って良かった」と話すように、体面よりも自分の気持ちに正直な行動に拍手を送る同性は多いようだ。
一方、サルコジ氏は最近、元モデルで歌手の女性(39)の交際が報じられるなど、また新たな話題を提供している。 (パリ・牧真一郎)
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