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水際検疫 7.5%のみ

 福田康夫首相が「生産者・供給者から消費者重視への転換」を強調した途端に起きた中国製ギョーザの中毒事件。食料の六割以上を外国に頼る日本の現状と輸入食品検査体制の貧弱さを浮き彫りにしました。こうした事態を招いたのは、自民党政府が一貫してすすめてきた輸入「自由化」と検査の規制緩和です。(西沢亨子)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-16/2008021602_04_0.html

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 自民党政府が食品輸入手続きの簡略化をすすめたのは、一九八〇年代から。アメリカの「市場開放」圧力を受けてです。

 八二年には、「市場開放の観点から…輸入検査手続きの簡素化に努める」との基本方針の下で、(1)輸出国の公的機関の検査結果があれば日本での検査を省略できる(2)同じ食品を継続して輸入する場合、二回目からは、一定期間検査を受けなくてよい―などの制度を導入しました。八五年には「市場アクセス改善のためのアクションプログラム」で検査免除制度を拡大。九〇年の日米構造協議の最終報告では「二十四時間輸入手続き終了化」を打ち出しました。

食品衛生法改悪
 検査体制を決定的に緩和したのが、九五年の食品衛生法改悪です。それ以前は、本来の食品検疫である行政検査として、厚労省の食品衛生監視員が、輸入食品の書類をすべて審査し、食品衛生法違反が疑われるものを現物で確認したり、検疫所で検査していました。

 残留農薬や食品添加物などの食品衛生法違反の食品を国内に流通させないために、検査結果が出てから通関させました。

 しかし九五年の改悪以降、国が検疫所で行う検査の目的は、違反食品の流通防止ではなく、事後的な「調査」(モニタリング)に変わりました。

 品目ごとにサンプル数を決めて抜き取り検査しますが、検査結果を待たずに通関・流通します。

 違反が分かれば回収命令が出ますが、すでに消費済みだった事例は、生鮮ニラ、マンゴー、野菜ジュース、生食用ウニ、赤貝、活ヒラメなど枚挙にいとまがありません。

 今回、中国製ギョーザから検出され問題になっている殺虫剤ジクロルボスが、生鮮イチゴから検出されたこともあります(二〇〇五年)。しかし回収命令が出たときには全量販売済みでした。

 改悪の背景には農産物・食品の貿易「自由化」を掲げて九五年に発足したWTO(世界貿易機関)体制があります(日本は九四年に協定批准)。

 飯澤理一郎・北海道大学農学研究院教授(農業経済)は「日本の食品検疫は、ほとんど無審査に近い状況だが、それはWTOによって食品検疫体制が簡略化されたから。WTOは検疫制度や食品添加物・残留農薬基準などの規制緩和を迫った。アメリカと多国籍大企業の要求に沿ったもので、一般消費者が求めたものではない」といいます。

命令検査は4.7%
 現在、荷物を留め置いて検査するのは、過去の事例などから食品衛生法違反の確実性が高い特定の国の特定品目(たとえば韓国産ニラ、タイ産エビなど)です。それらについて厚労省は輸入業者に民間検査機関での検査を命じます。サンプル抜き取りも民間任せです。

 輸入される食品のうち、この検査にかかったのは〇六年で4・7%にすぎません。このほか初回輸入時などに企業が自主検査するものをあわせても、水際でチェックされたのは7・5%(〇六年)だけです。

 国は事前チェックから撤退し、食品衛生法に違反した食品を流通させないという責任を放棄しているといえます。

 飯澤教授は「国民の食の安全を確保するには、根本的には食料自給率を上げることが不可欠。将来的には60―70%は必要だと思う。同時に、検疫体制の抜本的拡充が必要だ。人員を増やし、公的な検査機関を整えて、検査員の技術の蓄積を図ること。それらなしには安全を担保することはできない」と指摘します。

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