簡単!特許情報を活用しよう 安全な食品保存剤に注目
増え続ける加工食品。保存技術は大丈夫なのか、ふと気になる。今回は「食品の安全」をキーワードに検索した。
http://www.business-i.jp/news/for-page/chizai/200802200001o.nwc
≪腸内細菌使って実用化≫
図中でまず目につくのはアサマ化成という会社だ。「安全で有用な天然食品添加物」の開発を掲げ、天然保存剤、天然抗酸化剤、健康食品素材、食品素材などを販売している東京の中小企業だ。ヒットした21件中12件は「食品用保存剤」というタイトルで、すべての特許明細書中の目的や課題の項に「保存性の高い、人に安全な、食品の品質に影響しない食品保存剤を提供すること」とあった。特許明細書の中で企業のあり方を徹底して示しているのが面白い。
同社の「食品用保存剤」(特開H08-289770)は、腸内細菌の一種である「ラクトバチルス・ロイテリ」を産出する抗菌性物質「ロイテリン」を食品用保存剤として実用化する技術だ。健康を売り物にするため食品を低塩、低糖化すると、逆に保存性が落ち、菌が増殖しやすくなる。ロイテリンは安全性は高いがやや力不足の面もあり、その抗菌作用を増強するため、他に天然の抗菌性物質を同時に添加した。
日本製粉の「グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤」(特許3889456)は動物の脂肪細胞の分化を活性化させるグリセロリン酸脱水素酵素を阻害するものだ。要は抗肥満剤のようなもの。ビスケットや麺などを作る際、小麦粉に混ぜて使われる。太らないというのも安全の一種なのだ。
≪天然性抗菌剤も開発≫
オムレツ、卵豆腐、カスタードプリンなど卵を使った食品は非常に多い。合成抗菌剤の安全性に疑問が呈される中、卵食品にマッチした天然性抗菌剤の開発が待たれていた。日本油脂の「卵食品用抗菌剤」(特開H06-343386)は竹類のエキス、微生物が発酵して作るポリリジン、アミノ酸の一種であるグリシンなどを有効成分として含有したものだ。
土産物のお菓子の包装内によく使われる脱酸素剤の中は実は鉄粉などだ。自らの酸化作用で包装物中の酸素を抜くことで菌の繁殖や変色などを防いでいるが、酸素がなくても生きられる嫌気性の菌やカビの増殖は防げない。
この課題を解決したのが三菱ガス化学の「食品を保存する方法」(特開H10-229862)だ。抗菌性を有するフマル酸ジメチルなどと脱酸素剤成分を同時に用いることでより効果の高い保存剤を作った。
アサヒビールの「飲料容器王冠の露出鉄面の防錆(ぼうせい)方法」(特開H06-329166)は、ビールやジュースなどの王冠の端にあるギザギザした鉄の露出部分が傷や水滴の付着によって、さびるのを防ぐ技術だ。幼児などが口に入れる可能性も想定して考えられた。食品添加物や調味料に使われる物質を使って防錆処理している。(知財情報&戦略システム 中岡浩)
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