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冷凍の安全性前面に エスケー食品社長・菅野時雄氏

 中国製冷凍ギョーザ中毒事件から二カ月半が過ぎた。事件を機に消費者の冷凍食品離れが進んでいるが、エビの冷凍加工食品で国内市場の約二割を占めるエスケー食品(神戸市西区)は自社商品の安全性を強調する戦略で、逆に販路を広げている。冷凍総菜のネット販売を始めたり、エビの成分研究に着手したりと新たな展開も見せる。創業者で社長の菅野時雄氏(66)に経営方針などを聞いた。(末永陽子)

http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0000964760.shtml

 -ギョーザ中毒事件の影響は。

 「冷凍食品の売り上げは事件後もほぼ前年並みだが、中国からの輸入品を減らしたスーパーから新たな受注があるなど、販路は広がっている。当社は原料のエビの卵をふ化させる施設を自社保有し、天然のえさだけで稚エビを育てている。安全への配慮が認められた」

 -原料の安全性を徹底追求している。

 「一般的なエビ養殖は、人工池に大量の稚エビを入れて合成飼料で育てる集約養殖。残ったえさが腐敗するなどして病気が広がりやすいため、抗菌剤や抗生物質を入れる。当社はインドネシアの河口付近で潮の干満を利用した現地の伝統的な『粗放養殖』で育ったエビを使う。合成飼料や抗菌剤を一切使わず、天然のプランクトンがえさだ」

 -人口減少などで冷凍食品市場は頭打ちの傾向にある。

 「冷凍食品は、簡単に調理できるので健康に良くないというイメージがあるが、冷凍は素材の鮮度や風味、栄養を封じ込める優れた技術だ。長期保存できるため、保存料などの添加物も必要もない。当社はたれに使う大豆や天ぷら油の原料である菜種も非遺伝子組み換えを使っている。冷凍食品メーカーでは兵庫県内で初めて県の食品衛生管理プログラム(県版HACCP)も取得。安全性をPRできれば、冷凍食品はまだ伸びる」

 「昨年、少量パックの冷凍総菜をネット販売する新事業を立ち上げた。健康志向をテーマに商品開発を進め、需要を掘り起こしたい」

 -研究や人事教育にも力を入れている。

 「エビに含まれる有用物質を食品以外へ活用できないか調べる研究室を設立した。医療分野での利用が期待できる成分もあるため、主力商品であるエビの可能性を長期的に探っていきたい」

 「全社員から商品や事業の意見を募っている。昨年は初めて、採用の対象に転職者を加えた。新人と即戦力の両方が加わることで、現場に活気が出ると判断したからだ。企業は人。今後も営業や研究分野で積極的に採用したい」


メモ エビフライやエビ天ぷらを中心とした冷凍食品の製造販売。年商52億円。従業員250人。創業直後、当時レストランでしか売られていなかった、開かない状態のエビに生パン粉をつけたエビフライがヒット商品となり、急成長した。


すがの・ときお 1967年、早稲田大学法学部卒。米国留学後、70年に従業員3人で創業。90年にエビの主産地インドネシアに合弁会社を設立し、94年に完全子会社化。休日はジムで身体を鍛える。明石市出身。

(4/21 09:27)

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