練習問題の解き方 /島根
「農薬を使って虫もつかないように育った野菜は本当に安全なんでしょうか?」
http://mainichi.jp/area/shimane/letter/news/20080519ddlk32070315000c.html
「除草剤がまかれて雑草が生えなくても稲にはなんともないのが不思議です」
「輸入農産物は国産に比べると農薬が残留していることが多いのでしょうか?」
輸入農産物の農薬残留問題や、冷凍ギョーザ中毒事件で、食べ物と農薬を巡る不安や疑問が高まっています。島根面で毎週水曜日に連載中の「食の練習問題」は、そんな不安や疑問に応えようと始めたものです。
「Q」に答えていただいているのは島根大副学長の山本広基さん。農薬や土壌微生物、環境科学などが専門です。3月に始まって既に8回目を数え、読者から何件か新しい「Q」も寄せられています。
実はこの連載は、国道54号の赤名峠あたりを走っている車の中で誕生しました。「かびの生えた無添加のパン」と「かびが生えないように添加物の入ったパン」がテーマでした。
「かびの生えたパンを食べようとしたら、嫁さんが危ないからやめろと言う。でも、かびも生えんような添加物の入ったパンを食べる方が危険じゃないか」と話しました。すると山本さんは「それは奥さんが正しい」とひと言。「食品添加物は厳密な検査を受けて安全性が保証されているけど、かび毒の安全性は素人にはすぐわからないから」との説明でした。
「パンのかび」をきっかけに、山本さんの農薬の話は白熱していきました。
「農薬は約40項目にわたる安全性試験をして厳しい審査の後に登録されます。基準通り使えば危険性はないんです」
「有害性を強調するために基準値をはるかに上回る大量の農薬を使った実験データが使われたり、また聞きの話をもっともらしく伝える偽専門家のコメントが使われることもあります。メディアの責任も重いですよ」
「残留農薬の分析調査で基準値を超えたものは、輸入品と国産でほとんど同じ割合。輸入品が特に問題が多いということではありません」
農業従事者は減り、高齢化が進んでいます。農薬なしに農業は考えられなくなっています。「無農薬=善」「農薬使用=悪」という単純な図式で判断するのではなく、農薬についてもっと知ろうというのが「食の練習問題」です。皆さんも「解き方」を考えてみてください。「質問」があればぜひお寄せください。【松江支局長・松本泉】
毎日新聞 2008年5月19日 地方版
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