入食品:厚労、農水省のずさん検査に総務省が改善勧告
総務省は23日、輸入される農畜産物、食品の水際検査でずさんな事例があったとして、厚生労働、農水両省に改善措置を勧告した。家畜防疫官が無作為抽出で行うはずの検査で輸入業者側がサンプルを用意したり、検査場所まで防疫官が業者の車で送迎されていたほか、検査数量や実施件数が計画通りに行われていなかった。中国製冷凍ギョーザ中毒事件などで食の安全への関心が高まっており、検査の信頼性を損ないかねない両省の対応は批判を浴びそうだ。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080523k0000e010043000c.html
輸入農産物などの検査で、食の安全の観点から総務省が勧告するのは初めて。米国産牛肉のBSE(牛海綿状脳症)問題や鳥インフルエンザ流行などを受け、同省行政評価局が06年12月から、農水省所管の動物検疫所と植物防疫所、厚労省所管の検疫所の検査実施状況を調べていた。
輸入食品に含まれる添加物などを調べるモニタリング検査では、04年度は検査すべき169項目のうち76項目で、05年度は183項目のうち98項目で、実際に行われた検査件数が、厚労省が計画で定めた件数を下回った。
全国30カ所の動物検疫所のうち24カ所を調べたところ、04~06年中は22カ所で検査を受ける側の輸入業者が事前にサンプルを選んでいた。また、本来は公共交通機関や公用車で検査場所まで出向くべき家畜防疫官や植物防疫官を業者側が社用車で送迎したケースは、調査した30業者のうち14業者でみられた。
このほか、動物検疫所は、伝染病予防のため1年間に検査申請件数の約6割で肉や臓器などを抜き打ち検査することになっているが、03年は3カ所、04年は4カ所、05年は1カ所で実施率が5割未満だった。【石川貴教】
◇町村官房長官が苦言
勧告を受け、町村信孝官房長官は23日の記者会見で「やるべき仕事を十分やっていなかった実態があるようだ。食の安全にかかわる問題なので、閣僚は厳しく指導してほしい」と苦言を呈した。
一方、若林正俊農相は同日の閣議後会見で「動物検疫所、植物防疫所の業務の適正化とさらなる充実を図っていく」と述べた。その上で「実態がどうなっているか、調査して報告するよう指示した」と語った。
舛添要一厚生労働相も同日の閣議で、勧告を受けて食品衛生監視員を大幅に増員し、輸入食品の安全性確保に取り組む考えを説明した。【佐藤丈一、工藤昭久】
英訳
毎日新聞 2008年5月23日 11時13分(最終更新 5月23日 12時04分)
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