世界競技会で金賞受賞、ハム職人・斎藤寿明さん /新潟
◇手作りの味に自信--斎藤寿明さん(41)
ハムやソーセージ、ベーコンを作り続けて20年。今年2月、ドイツ農業協会(DLG)が主催する世界最大規模の食品競技会で「荒挽(あらびき)フランク」が最高賞の金賞、「ボンレスハム」が銅賞を受賞した。職人としての腕が認められ、「今まで作ってきたものに間違いはないと、自信がついた」と喜ぶ。
http://mainichi.jp/area/niigata/hito/news/20080525ddlk15070035000c.html
村上市(旧神林村)に夫婦2人で手作りハムの店「かみはやしハム」を営む。20種類以上の製品が並ぶ店内には、肉をいぶす香ばしいにおいが漂う。
養豚農家の長男として生まれた。「肉の勉強がしたい」と群馬県のハム製造会社に就職。21歳の時、村おこしのため、地元産の肉を加工販売する店を作る話が持ち上がり、帰郷してハムづくりを始めた。13年前に実家が養豚業をやめるまで、父親が育てた肉を使い、今も県内産の素材にこだわる。
「かんでいるうちに、肉のうまみがほっぺたの隅々まで広がる」味わいが特徴。甘さを加える砂糖や調味料は使わず、塩と香辛料だけで素材の味を引き出す。本場ドイツのマイスターの資格を持つオランダ人から指導を受けるなど、地道に技術を積み上げ、研究に研究を重ねてたどり着いた味だ。
競技会は「創業20年という節目の年に、自分の腕と製品のレベルを確かめたい」と初めて参加し、普段店頭で販売しているものを出品した。審査は味や香りだけでなく、添加物の量やパッケージなど200項目に及ぶ厳しさだが、荒挽フランクはすべてで満点をとった。
ドイツから受賞の通知が届いたのは3月下旬。岩船5市町村が合併する直前だった。村おこしをきっかけに誕生したハム店として、「『神林村』の名前があるうちに結果を残せたことは、自分の中でもいい区切りになった」という。
受賞後は、特に荒挽フランクが飛ぶように売れて品薄状態が続く。だが、大量生産ではなく、一つ一つ、細部にまで職人の魂が込められているのが手作りのよさだ。「長年かけて築いたお客さんの『信用』を大切に、もっといいものを目指していくつもり」。柔和な笑顔が消えて、表情が引き締まった。【黒田阿紗子】
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■人物略歴
◇さいとう・としあき
旧神林村生まれ。新発田農業高校を卒業後、群馬県の食肉学校で1年学び、同県内のハム製造会社に就職。87年に古里に帰って「かみはやしハム」を創業した。製品は村上市の店舗のほか、県内のスーパー「イオン」やホームページなどで購入可能。27日まで新潟三越(新潟市中央区)で開かれている新・村上市誕生記念の物産展にも出品している。問い合わせは電話0254・66・7593。
毎日新聞 2008年5月25日 地方版
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