非GM作物…穀物高騰 農家は収入急増/栽培メリット薄れ、遺伝子組み換えへ
遺伝子組み換えをしていない(非GM)農作物の入手が困難になっています。大豆やトウモロコシなど穀物の世界的な需要拡大で、育てやすく、大幅な収穫量アップが見込める遺伝子組み換え(GM)作物を栽培する農家が増えているためです。非GMトウモロコシの確保が困難になったことから、4月にはGMトウモロコシを使用したコーンスターチの供給も始まりました。今後、他の作物でも同様の動きが広がりそうです。
http://www.business-i.jp/news/for-page/naruhodo/200805280012o.nwc
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GM作物は、植物から品種改良に役立つ遺伝子を取り出して別の植物に加えるなど、遺伝子的な操作をしたものです。交配による品種改良に比べて、必要な性質の遺伝子だけを組み入れることができるため、効率的に品種改良ができます。病気に強い品種、過酷な環境でも栽培できる品種を作って、世界的な人口増加で懸念されている食糧不足の解決策の一つとしても期待されています。
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の調査によると、2007年のGM作物の作付面積は前年比12%増の1億1430万ヘクタールで、1997年の10倍以上に増加しました。作物別では大豆が51%を占め、トウモロコシ、綿も多く栽培されています。
北米や南米、中国を中心に23カ国で栽培されていますが、日本の主要輸入国である米国は世界のほぼ半分にあたる作付面積を持つ、最大の栽培国です。ISAAAは今後もGM作物の栽培は拡大し、2015年には栽培国が40カ国に増加、作付面積も07年の2倍程度の2億ヘクタールになると予想しています。
こうしたGM作物の流通・販売について、日本では安全性が確認されたとされる大豆、トウモロコシ、じゃがいも、菜種、綿、てんさい、アルファルファの7作物と、GM微生物を用いて作った食品添加物6種が認可されています。
しかし、消費者には「健康や環境に悪影響がある」との考えが根強く、イメージ悪化で売り上げの落ち込みも予想されるため、食用油や飼料など一部を除いてGM原料は使われていませんでした。
GM作物の栽培が盛んになるなか、輸入元の商社は栽培農家に穀物価格の数パーセント分を「プレミアム」として上乗せして支払うことで、栽培に手間のかかる非GM作物を栽培してもらい、調達してきました。
しかし、最近の穀物価格の上昇で農家収入が急増。手間をかけて非GM作物を栽培するメリットが薄れ、GM作物に移行する農家が増加しているそうです。
米国では、大豆の9割程度、トウモロコシの5割以上がGMで栽培されているといいます。ブラジルでも大豆の半分以上はGMだそうです。
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非GM作物の作付面積が減少し、調達価格が高騰するのは食品メーカーにとって深刻な問題です。小麦や乳製品などあらゆる原材料の価格が高騰していますが、大手流通との交渉力が弱い中小メーカーは、増加コストを価格に転嫁することもままなりません。
非GM作物の価格高騰が続くようだと、「企業努力では吸収しきれず、中小企業には倒産も出てくる」(業界関係者)との懸念もあり、原材料価格の高騰に苦しむメーカーに追い打ちをかけることにもなりそうです。(松岡朋枝)
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